「木」と「革」、自然素材への共通したこだわり

100年後のアンティーク家具をつくるアカセ木工 (東京)
人生とともに歴史を重ね、深みを帯びる家具。アカセ木工は、ウォールナットがもつ素材 の美しさを追求し、100年後の人たちにも愛着を持ってもらえるような家具を考えてきました。普遍的でドラマティックな表情。インテリアがみせるその時々の表情を楽しみながら、時代にとらわれないデザインとライフスタイルをお客様に提案しています。
アカセ木工にとっての心石工芸とは。取締役の後藤さんにお話を伺いました。
タンスからリビングへ、共同開発で生まれたソファたち
時代とともに、ライフスタイルは大きく変わります。婚礼家具が当たり前だった時代、私 たちは主に箪笥を作っていましたが、次の時代を見据えてテーブルやベッドの開発も進めていました。アクトやモアレスといったソファを手がけていましたが、そんな時に展示会で心石工芸と出会い、新しいソファの開発を手伝ってもらうことにしました。
最初にお願いしたのは、ソファに造詣の深い伊藤浩平さんのデザインで、ローソファタイ プのユニゾンでした。ユニゾンを発売したところ、脚をつけて座面を高くする別注が多かったため、後にそれをデニッシュとして売り出したところ大ヒットしました。その次は、九州で作っていたビークと言うソファを心石工芸で引き継いで作って貰いました。これもヒットしたことから、箪笥以外の売り上げも伸ばすことができました。

アカセ木工にとっての「木」、心石工芸にとっての「革」
「100年後のアンティーク」は、私たちのテーマです。木材は長い時間をかけて育ったからこそ、長く大切に使いたい。自然の部分を残したいから、オイル仕上げにこだわっています。傷もつくし汚れることもあります。時折、メンテナンスもしながら、親から子供、孫の代まで使って欲しい。それに耐えうる良いものを提供していきたい、私たちはそう考えています。
心石工芸でも、傷やシミが目立ちやすいが、天然素材の風合いを生かした牛革でソファを 作っています。革の価値をお客様に正しく伝え、販売している心石工芸の姿を見て、素材は違えど心持ちは全く同じだと感じました。私たちがお客様に提供したい価値は何なのか、その価値をお客様にどう伝えるべきか。ともに悩みながら、これからも答えを出し続けていきたいと思っています。
次の10年で追求するものは何か
これまでずっと「いい革」を追求してきた心石工芸が、次の10年をどうするかはとても 楽しみに感じています。実際に、この数年で昔の心石工芸にはなかった「柔らさ」を上手く取り込んでるように思います。共同開発を通じて感じた、技術力の高さや、新しいことへ挑戦するスタンスを知っているからこそ、これからどう展開していくかが楽しみです。
