栃木レザーの中でも最も硬く、厚い本格的なヌメ調の革。通常、ベルトやバックの取っ手に使われる丈夫な革をソファに仕上げました。使っていくうちにしなやかになりますが、それでもソファとしては非常に硬い仕上がりです。
2.2mmの厚く硬い革は、通常の製造方法では縫うことができません。革を2枚合わせにし、専用のミシンで縫います。ソファらしいふっくらした丸みと、コバ磨きで角のエッジが際立つことで、美しい形になります。
丈夫な革を使った理由は、長く愛されるシンプルな形を作ることでした。素材は長く使えるものを。デザインは時代を超えても残り続ける名作のル・コルビジェのLC2をオマージュしました。
無垢のスチール脚、Φ14mmがソファを支えています。脚下は14cmです。重厚な革ですが、空間に置いても軽やかな印象です。
良質な革ほど表面の仕上げが薄く、革本来のキズやシミが残っています。しっとりとした肌さわりや、使っていくうちに、革らしい風合いの変化が起こります。また、革のグレインと呼ばれる、革の繊維構造の中で一番丈夫な部分を残すことで、より耐久性の高い革に仕上がります。
ヴォーノ(厚革) 厚革の圧倒的な耐久性と「存在感」を重視したい方に |
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ジーンズ(厚革) 厚革ならではの「経年変化」を楽しみたい方に |
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デザイナーの川崎文男さんから、そう声を掛けられたのは2004年のミラノサローネの展示会場でした。
その場で話は進み、何十年も張替えが不要なほど丈夫な革のソファに挑戦することになり、あっという間にデザインは仕上がり、図面が送られてきました。
まずは革選びから。丈夫な革を作っているタンナーといえば「栃木レザー」です。
丈夫な革ほど硬くオイル量が多い。しかし、それは加工が難しい。
覚悟を決めて、加工方法を編み出す事になりました。
先代の社長自ら加工方法を学ぶために、硬い革でバッグを作っている工房や靴作りのスクールに入りました。
そうして1~2年が経つ頃には、加工方法に目処がついてきました。
なんとかソファの形にはなったものの、最初はお客さんに出すのは恥ずかしいような仕上がりでした。
しかし、2回3回と試作を重ねるうちに、職人さんも工夫してくれて、だんだん上手になりました。
こうして4年後にようやく、HIBIKIの前身となるBADYができました。
建築家の自宅は実験の場(神奈川県/G様)
厚革の素材感と軽やかなデザイン(岡山県 / K様)
只今、準備中です。(-)