京都府 三井緑様

私の人生を決めた大切な椅子、PK22の張替え

  • KW21
東京都在住 三井緑様 POUL KJAERHOLM/PK22(#KW21)

三井緑さんのPK22を張替えました。

三井さんがポール・ケアホルムに師事するきっかけとなったPK22を張り替えることになりました。大学を出た三井さんは、百貨店でこの椅子のデザインを見て、遠くデンマークまで行くことにしたという思い出の椅子です。

この椅子は永く使われている様子で、スチールフレームは錆が浮き、座面は伸びて一部破れていましたが、直して使いたいとのこと。出来るだけオリジナルの構造を変更せずに、張り替えをすることになりました。

中には伸びにくい麻を厚く織った生地を張ってありましたが、伸びることも予測して、紐で張りを調整できるようにしてありました。革の裏には麻布との摩擦を防ぐ意味もあるのか、厚手のフェルトが縫付けてありました。 永く使われることを想定しての素材選びと、作り方となっています。座面と背の角度や、フレームのしなり方が心地よい座り心地です。 ポール・ケアホルムは大変厳しい指導だったけれど、ご自身も深く考えてデザインをされる方だったとのこと。張り替えをしてみて納得しました。

表面の素材には、私達が革メーカーにオリジナルで作ってもらっているKOKOROISHIのオイルレザーを選んでいただきました。使っていくうちに色が変化したり、手垢がついたりして、風合いが変化する点を気に入っていただけて嬉しかったです。

この椅子は三井さん宅のリビングにとても馴染んでいて、居ないとちょっと淋しい、そんな主張し過ぎない存在感を出していました。その部屋にはいくつかの試作品や、これまでの作品が並んでいます。永く使われて色が褪せたりしたそれらは大切な家族のようにそこに居て、何ともいえないホッとする雰囲気を出していました。

革がところどころ破けたり、革が伸びていたりと、長年愛用されていたのが伺えます。ポール・ケアホルムならではの張り方を変えずに、というご希望でしたので、下張り材の麻布はたるんでいた部分を修正することにしました。縫製後の革を本体に差し込む時は、二人同時に同じ力を加えながら張り込んでいます。剥がす時も、張り込んでいくときも、ポール・ケアホルムのすごさを何度も感じながらの作業でした。「おおっ」「ああっ」「なるほどー」の連続です。

<三井 緑>

東京芸術大学工業デザイン専攻卒業後、デンマーク王立アカデミー家具科留学。ポール・ケアホルム POUL KJAERHOLM に師事。

代表作には、「IRIS(イリス)」チェアー、「HANACO」シリーズ、簡単に持ち運べる「M FOLDING STOOL + TRAY」等があります。ご自宅で三井さんも使っている「HANACOシリーズ」のベンチの格子から抜ける光がとても美しいです。

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